ダムを賢く増やして、
永く使うために
2018年の西日本豪雨や2019年の東日本台風以降、ダムの緊急放流が増加し、事前放流が推進されています。しかし、ダムの貯水容量には限りがあり、これを有効活用するためには、最新の気象予測情報を用いた運用高度化や、古いダムの改造、放流設備を新設するための技術開発が求められます。高度化されたダム運用で効果的に貯留された水は、次の洪水を見据えながら発電放流することで増電効果をもたらすことが期待されます。
一方で、ダムには土砂が堆積し機能を低下させるとともに、下流の河川や海岸への土砂供給を遮断する環境問題もあります。これを踏まえ、ダムの長寿命化と下流の環境影響を軽減するための土砂供給を組み合わせた先進的な堆砂対策が進められています。
安心して暮らせる未来を目指した
ダムの技術開発を目指して
本拠点は、このような「治水」と「利水」のWIN-WINをもたらすためのダムを「賢く」、「増やして」使うための「ダム再生技術」、さらには、ダムを「永く」使うと同時に、河川や海岸環境の改善のためにダムから効果的に土砂を下流に供給する「流砂環境再生技術」を開発するために、京都大学の角 哲也特定教授を総括リーダーとして、設置されました。